一香堂(ひとかどう)の身辺雑記

人生面白がろう😆一香堂はり灸師@神楽坂の雑記帳

タイトルが響くんだな

今朝もまたもや、映画『おだやかな革命』ネタです。何度か書いているこちらの映画ですが…

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何故だろう?と考えてみました。

  • 内容がいい。
  • 生活クラブの取り組みが紹介されている。
  • 見ると元氣が出て「未来を作っていくのは自分たちなんだ」と前向きになる。

と、ごく当たり前なことが浮かんできたのですが、前述の朝日新聞Digitalの記事を読んで氣がつきました。

そう!タイトルです。やけに響くのです、この『おだやかな革命』が!

「革命」と聞くと、フランス革命、とか、産業革命、とか、歴史的イベントが連想されます。そしてラジカルなイメージ。何かが勃発して、世の中がワーワーってなって、シャキーンと刷新!という感じ(注:あくまでも私のイメージです)。

後世から見ると、一絡げにまとめちゃって一つのイベントに見えます。その時代を生きていた人たちはおそらく、その革命中にも変わらない日常も生きていたはずで…だから、「革命」は私がイメージしていたより、もっとゆるやかで「おだやかな」ものなんじゃなかろうか、と思った次第です。

上から下への流れ、ではなく、芽吹いてきたものが横につながっていく流れ。いわゆる「草の根」ってやつです。とても水瓶座時代的です。

そう、水瓶座時代の空氣がいっぱいなんだな〜、この映画。

記事によれば、こちらのタイトル、渡辺監督の奥様の一言から思いつかれたようです。奥様のセンスに拍手!

映画を観た直後に自分でも書いてますが、「おだやかな革命に参加」したい、のだな。

自分がやっていることで「おだやかな革命」を広げたい!のだ。
はり灸を受けた方々におだやかな革命を起こしたい、と細胞たちが震えます(なんのこっちゃ)。

それって何? ってことですが…からだの中にある、いのちの響き、いのちの共鳴を思い出す、って感じですかね。さらに抽象的になってしまった…

前回から共鳴つながり、ってことで、今日はこれまで。

 

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共鳴現象

今は「つながり」の時代、です。

「今は」ではなく、昔から人はつながりの中で生きてきたのですが、SNS花盛りのせいか「ソーシャルパワー」や「コミュニティ」が時代を変える、と言った類のことを聞きます。SNSが「つながり」のあり方を変えてきた、といえるかもしれません。

これから書く「つながり」はSNSとは関係ありません。

以前から、よくありました。
私が体調悪いタイミングが、やたら親と重なるのです。親から「この時期寝込んでいた」と聞くと、全く同じではないものの、私もその時期寝込んでいたということが頻繁にあります。

つい先日小田原へ帰ったときも、父親がその一週間くらい前から風邪で寝込んでいた、前日からようやく起きれるようになった、と聞いたのですが。私もやはり一週間くらい前に風邪をひいて、寝込むほどではなかったものの調子が悪かったのです。

離れて住んでいるので感染ったわけではないのですが…なんでしょうね〜、バイオリズムが似ているのでしょうか。あるいはDNAの共鳴(ありがたくない共鳴だ)なのでしょうか。

面白いですね〜。

昔あるワークショップで、その家系が持つ「呪縛」みたいなものがある、というようなことを聞きました。

例えば「代々〇〇歳ごろに亡くなる」とか「〇〇歳ごろに✖️✖️が起こる」とか、家系特有の年齢イベントのパターンがあるそうです。からだの遺伝子の問題でなく、先祖のパターンが無意識に刷り込まれているということもあるそうです。からだの遺伝だけでなく、意識の遺伝もあるってことですね。

興味深いのは、そのパターンに氣づくとその呪縛が解ける、とのこと。無意識の意識化が、何らかの力を生み出すのでしょうか。

私たちは、知らない間に先祖からの影響を受けているのでしょう。

共鳴は、時間も距離も超える、のでしょうか。

そういえば、今朝も共鳴現象、起こりました。

明日は母の誕生日。今朝ふと「花でも送ろうか」と思い立ち、実家に近い花屋にネット経由で、誕生日花セットを注文しました。
注文確定メールが届いた瞬間、まるでそれを察知したかのように、母から電話が!話題は誕生日とは関係なかったのですが。
こんにゃく芋からこんにゃくを初めて作ったんだけど、送ろうか?という電話でした。

花がこんにゃくに化けましたw 

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母作 手作りこんにゃく

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『コンビニ人間』読みました

 155回芥川賞受賞作、村田沙耶香作『コンビニ人間』を読みました。

コンビニ人間

コンビニ人間

 

「面白かった」とか「共感した」とか「現代の世相を切り取っている」とか、単純に感想を述べづらい本です。

じゃ「面白くなかったのか?」と問われれば、面白かった。「共感しなかったのか?」と問われれば、「あるある」共感、結構ありました。そして「現代の世相」と言われればそうでしょう、なんたって現代の象徴的存在「コンビニ」が舞台ですから。

主人公の古倉恵子を始め、どう見てもヤバい白羽さんはもちろん、その他「普通」の人たちも、みんな変だ。

恵子の物語を読んでいると、結構痛い。聞きたくない告白を聞かされているようで、見たくない自分の部分を見せられているようで、うずうずした共感が湧いてくる。恵子の戸惑いとか違和感とか。

恵子は、子供の頃すでに、自分がこの世界にとって「異物」であることに氣がついた。彼女は、それを嘆くでもなく憐れむでもなく悲しむでもなく、淡々と状況分析し、自分が異物であることを隠す技を身につけた。

自分から何かを発することは止め、誰かの真似をするか誰かの指示に従うことを選んで、「普通」になろうとした。「普通」がよくわからない彼女に、はっきりとした「普通」のマニュアルを提示してくれたのが、コンビニだった。

恵子は、「マニュアル」を微塵も疑いもせずその通りに自分を改造していく。その同調ぶりは見事だ。それは「涙ぐましい努力」…と私に見えただけで、それは私の勝手な投影だったことがすぐにバレる。恵子は「涙ぐましい」様子もなく、忠実に任務を遂行し改造に励む。自分の異物感がバレることに敏感である高い感知能力を使って、同調していく。

「普通」(という本当にあるかどうかわからない)から見たら、恵子はよくわからない「生き物」だ。そのままの恵子にぴったりな「ラベル」はない。ある意味、未知との遭遇

「普通」の人たちは、自分との共通項を探したがる。それら共通項を元にしていろいろ世間話をする。共通項があると話も盛り上がる。「あ〜わかるぅ」「それ、あるある」の数があればあるほど、人は安心して仲良くなれるし分かり合える、と思っている節がある。

未知の存在は時に人を不安にさせる。できれば不安は解消したいので、わかりたい。けど未知をわかるためには、それに似たモデルがないとなかなか大変だ。自分で考えることが要求される。それは手間がかかる面倒な作業とも言えるし、無自覚に隠していた諸々のことがダダ漏れる可能性があるし、できれば避けたい(面白がる人もいるけど)。そのためできるだけ自分の世界に当てはめようとする。

恵子が男尊女卑クソ野郎(ザックリまとました)の白羽さんと同居を始めた事実を知って、勝手に盛り上がっていく周囲の人たちは、嬉々として恵子にラベルを貼った。「普通」の人たちは一安心して、彼らの妄想ストーリーの登場人物として恵子を仕立てる。これでめでたく?恵子は(白羽さんも)彼らの世界の一部になり、排除しなければ!という異物不安がなくなった。「事実と違う」という恵子の説明は聞こえない方がいいのだ。

ところで、クソ野郎の白羽さん。自分が「異物」であるのは世界が間違っているせい、(縄文時代から)今も「機能不全世界」だから自分は苦しんでいる、という持論がある。今の自分が機能不全なのは世界のせい。だから、自らを変える必要はない。
彼はコンビニ店員として恐ろしく「不能」だが、全く氣にしていない。彼はコンビニ店員は見下しており、変わるのは自分ではなく彼ら(社会)の方なのだから。ま、一応、彼が世界に適合しようとしている努力が1mmくらいは見えた。が、このプライドの鬱屈さ、やばい腐敗臭です。恵子に対する的外れの尊大さ、相当臭ってます。ちょっと恐いのは、リアル白羽にミニ白羽、確実に実在してるわ〜。実際に浮かんでしまう顔の数々…

こんなクソ野郎に対して、ある公平さ、受容を示す恵子に、一番の「慈悲深さ」を感じてしまった。子どもの頃はあんなに不可解だったのにね。見事な成長っぷり!

ラストは自己受容…なのでしょうか。最後に「コンビニ店員という動物」である自分を、皆が「納得する。全ての人が喜ぶ生き方」ではなく「本能を裏切」らない生き方を。

「ムラの掟」より「本能」に従い、「細胞全てが、(略)皮膚の中で蠢いているのをはっきり感じ」た恵子に幸あれ!

 

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スーパー・ブルー・ブラッド・ムーン

全然タイムリーでないけど(^^;;、先週1月31日の皆既月食ご覧になりましたか?

前日は曇りの予報でしたが、東京ではとてもきれいに見えました。
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こういう天体イベントがあると、みんな空を見上げます。なんかいいですね!普段は忘れている、地球にいるって感覚、地球の外には宇宙が広がっていて地球もその一部なんだって感覚、月を見ながらリアルに感じました。

今回の皆既月食はスーパー・ブルー・ブラッド・ムーンと呼ばれていましたね。NASAが名付け主のようです。

スーパームーンは月が地球に一番接近していて、14%大きく見えるということらしいですが、これはNASAが名付けたようです。


ScienceCasts: A Supermoon Trilogy

なので、国立天文台は「スーパームーンはいつか?という質問には、定義がはっきりしていないから、答えられない。」とのこと。

このスーパー・ブルー・ブラッド・ムーンが起こるのは、計算上平均して265年に1度と非常に珍しい出来事。ですが、日本を含む東アジアでは、1982年12月30日にスーパー・ブルー・ブラッドムーンが起こっていたので、日本では約36年ぶりでした。

この歴史的皆既月食の動画が、いろいろなところでアップされています。見ていると癒されます。大きなスクリーンで映したら、BGVになりそう。うちにはそんな環境ないけどね。


【6倍速】東京上空の「スーパー・ブルー・ブラッドムーン」 皆既月食を観測

 

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一番衝撃だったからし明太子の話

「安いものには訳がある」報告シリーズ、練り製品味噌と続いて、最後はからし明太子(明太子)。

明太子自体あまり購入しないので、知らないことが多く、私にとって衝撃度No.1でした。

明太子は、添加物が多く含まれる食品のトップ(「ワースト」って言うのかな、こういう場合)3。ちなみにナンバー1、2はハム、ウィンナー。

巷に出回っている明太子は化学調味料(化調)や添加物入りが普通なので、圧倒的多数の皆さんは無添加の味を知らないわけです。
明太子名産地を含め西日本方面では無添加の味がウケないようです。明太子はもはや化調、添加物の味付けが定番とか⁉️もしかしたら、明太子好きであればあるほど無添加味をマズイと感じるのかな…

明太子に適したスケトウダラの卵は、真子、目付と呼ばれる成熟・完熟卵とされています。添加物を使うと、未熟卵や崩れた卵でも完熟卵と引けを取らない見た目になるんだとか❗️

一般的に使われている添加物の中に、亜硝酸ナトリウム(別名:発色剤、亜硝酸ソーダ)があります。これは毒物及び劇物取締法で「劇物」に指定されており、致死量は2g。しかも発ガン性物質(亜硝酸Naが原料内のアミンと反応してできるニトロソアミン)を生み出すことが確認されています。

こんな危険なものをなぜ入れるか?
…というと、ボツリヌス菌や病原性大腸菌O157の毒素を抑える効果があるから、いつまで経っても変色しないできれいな色に保たれるから、です。

亜硝酸Na以外にも、明太子の原材料表示は化調・添加物のオンパレードです。

ま〜、許容一日摂取量(ADI:人が毎日一生涯摂取しても、健康への悪影響がないと推定される一日当たり摂取量)内だから問題ないんじゃない?と思う方、その数値の根拠を問わず厚生労働省を無条件に信じている方は、どーぞ食べてください。

一方、生活クラブのものは無添加が基本です。
生活クラブの明太子の原材料は、トウガラシ、食塩、砂糖、昆布だし、ゆず。市販品に比べて、やけにスッキリ!

原料卵は、厳選した卵に限定されます。添加物は使えないので、未熟卵や崩れた卵をごまかして使うことはできません。

卵を調理液に漬け込む時間も違います。
化調・添加物を使うと旨味が強いので、24時間程度。対して、生活クラブ明太子は夏場96時間、冬場120時間と時間がかかります。
化調添加物ふつーの世界から見たら、とても手間がかかり効率悪い、ですよね?

生活クラブ明太子のお値段、市販品に比べると確かに高いです。が、原材料や作り方を比べてみたら、その値段は決してぼったくりではない、逆に市販品の方がぼったくってるんじゃないか、とさえ思います。

要注意なのは「無着色明太子」。よく原材料表示見てくださいね!着色なので、入っていないのは合成着色料だけ。その他の添加物や発色剤(これが亜硝酸Na)、グルタミン酸は普通に入っていたりします。「無着色」を売りにして値段を高くしているケースがあります。
私も以前、「無着色」の方が安全と思って買っていました…

も一つ要注意なのは、よくネットなどで見かける「訳あり」からし明太子。いかにも「高品質なものがお得に買えます!」的な宣伝文句を連ねているのですが、業界の人から見ると「意味不明」な表現だったりするらしい…

いや〜、食品の裏側ってかなりエグいですね。

生産者の方々のお話を聞いて実感したのは、無添加とか厳しい基準に沿って作っていただけることの有難さ。
seikatsuclub.coop

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化学調味料・添加物ダメ、と言うことは簡単ですが…使ってしまう事情・氣持ちもなんとな〜くわかるような・・・。

ただ非難するだけでなく、無添加のものを買って使って意思表明しないと、世界は変わらない…と思います。買い物は魂の表現です!

hitokadoh-aider.hatenadiary.jp

私自身、化調・添加物が蔓延し続けている原因の一部に関わっていることは間違いないのだし、批判・非難を超えて行動していきたい!…と思ってます。

 

人生は面白い。 

菌が生きててこそ味噌だよね

前回は、練り製品の原料であるすり身について書きました。

今日は味噌について書きます。

味噌は、大豆と米または麦、塩、そして麹(こうじ)で作られる発酵食品です。
「味噌は健康にいい」と言われていますし、実際そのことを示唆する研究・論文も出されています。
miso.or.jp
www.ncbi.nlm.nih.gov

欧米においても、秋月辰一郎医師の著書英訳版により「原爆症に効果的」だと知れ渡り、チェルノブイリ原発事故後ヨーロッパで日本の味噌が飛ぶように売れたそうです。

長崎原爆記―被爆医師の証言 (平和文庫)

長崎原爆記―被爆医師の証言 (平和文庫)

 

こんなにいろいろな効能がある味噌、日常的に食べたいですね〜。お味噌汁もっと飲もっか〜って思いますよね。

では、今食べている味噌は「本当の味噌」でしょうか?…ってことですね。
今私が食べている味噌にはちゃんと菌が生きているか?…ってことですね。

ちゃんとした「味噌屋」、樽入り味噌を量り売りしているようなお店で購入されたならば、おそらく大丈夫でしょう。自家製味噌も問題ないです。生きている味噌です。

注意が必要なのは、スーパーに陳列されている真空パックの味噌です。
味噌の菌は生きているので呼吸しています。生きている味噌をただ真空パックしたら、袋が膨らんできます。
だから「空気穴が付いている味噌を買え」と以前聞いたので、そういうパッケージの味噌を選んでいました(そういう味噌は少しお高めですが…)。

その後生活クラブに加入しデポーで買うようになったら、「穴」付きパックの味噌が見当たらないのです。味噌は冷蔵エリアのみに並んでいて(時々出るビニール袋に入った量り売り味噌はテーブルに置かれています。)それらは全部空気穴なしのパッケージ。

なぜ、生活クラブには空気穴付きの味噌がないのかな?
その疑問が、生産者のお話で解決しました。
アルコールで菌を眠らせた状態のものを冷蔵貯蔵で販売している、のですね。だから消費材の味噌を常温で置いていたら、袋は膨らんでくるそうです。実験好きな方、やってみてください!

基本的なことですが、白みそと赤みその違い教えていただきました。
単に熟成期間の違い、なんだそうです。

時間の経過と共に、味噌は白→ 赤→ 黒と変化していきます。
白味噌の代表格、西京みそは熟成1ヶ月ほど。白味噌好きな方は、お好みの味になったところで冷凍保存すれば、ずっと白味噌が食べれます。
じゃ、どこまでが白味噌で、いつから赤味噌になるか?
それは、ただ生産者が決めるだけ。発酵期間についての決まりはないそうです。

私の驚きポイントは、「だし入り」味噌は死んだ(発酵が進まないっていう意味で)味噌、ということ。
かつて食べてました…「〇〇昆布だし入り」。「昆布だし入っているんだから、体にもいいんじゃない?」なんて思ってました!広告文句に騙されてましたわw

最近は、ペットボトルに入った味噌が売れているそうですね。
www.oricon.co.jp

果たして、これは「味噌」と呼んでもよいのでしょうか?どうみても「発酵食品」ではなさそう。「味噌味」調味料って感じです。

「肉を味噌漬けにすると柔らかくなる」と言います。これは、味噌中の麹菌が出す酵素でタンパク質が分解されるから、です。
「味噌に漬けとくとお肉柔らかくなるから〜」とか言って、漬けておく味噌に生きている菌がいなければ肉は柔らかくなりません、残念ながら。単に味噌味のお肉が食べたいのであれば、ペットボトルでもだし入りでも問題ありませんけど。

味噌は発酵させるものですから、発酵・熟成期間は必要です。となると作っても待たなければならない、すぐ売れない、という状況があります。生産者にとって、これは効率悪いです。

発酵のプロセスは菌次第です。発酵時間も温度・湿度によって微妙に変わります。仕込む樽(場所)が違えば菌も違います。なるべく同じになるよう管理しても、全く同じってわけにはいきません。菌は生きてますから。

味も微妙に違ってきます。マルモ青木さんも、時々お客様から「今回の味噌は前と味が違うけど」と言われるそうです。

味が違う、のは「生きている」証拠でもあるのです、が。

現在だと「クレーム」にもなるんですよね…
生産者にとってはクレームは避けたい、そのために、いつでもどこでも全く同じ味にしなければ!…となると、生きている菌は難しいし面倒扱いされ、結局、化学調味料使っておけば同じ味になるから安心、てな具合になっちゃうのだと思います。

氣がつけば、だんだんと「生きている」食品は少なくなり、さらに、私たち自身が「生きている」味を知らなくなっていく・・・という若干ホラーなスパイラルができつつあるのかもしれません…

同じ「発酵」食品であるワインは「産地によって味が違う」「同じワイナリーでも年によって味が違う」とか、割と周知されていますよね?

同じく味噌でもそういう事が一般的になるといいですね。

みそ健康づくり委員会のサイトには、全国みそ屋マップなるものがあります。ご近所のみそ屋さんから、生きているお味噌を調達してみましょう!

菌でググっていたら、菌のマンガ(…なのかな?)ありますね。
morning.moae.jp

そういえば、以前甥っ子たちが「かもすぞ!」とかましまくってたことがありました。このアニメのことだったんだ〜と、今になってわかりましたw。遅すぎっ!

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最後は、明太子。 

 

人生は面白い。

無添加すり身って希少なんだ

一週間過ぎてしまいましたが、生活クラブのおしゃべりキッチン「安いものには訳がある」に参加しました。3生産者のお話がいっぺんに伺える、内容充実な企画です。

 

今回は、こめや食品(株)(株)マルモ青木味噌醤油醸造場(株)泰山食品商行

生活クラブには、国の基準より厳しい独自の自主基準があります。

生産者の方々は、その厳しい基準に従って、消費材(巷で「商品」と呼んでいるモノのこと。利益を得ることが目的の「商品」ではないという意味で、生活クラブでの呼び名を作ったらしい)を開発・製造していただいている、とてもありがたい存在です。もちろん一般市販向けの商品も製造されていますから、市販品と生活クラブ消費材の違いをよくご存知な訳ですね。

食の安全に関する本や映画も、個人的に見ていたので、ま〜それなりに知っていたこともあった訳ですが…

業界事情をご存知の生産者の口から、直にお話いただくと、インパクト大でした!つーかヤバ過ぎる…
タイトル通り「安いものには訳がある」のです。ほんと、大ありですわ!!

まずこめや食品(株)さんから、練り製品のお話。

スーパー行くと、安いのたくさん売ってますよね?
練り製品って何からできているか、ご存知ですか?・・・はい、魚のすり身ですよね。 

市販品の練り製品はほとんど、リン酸塩が入ったすり身を使っています。

リン酸塩は、簡単に言うと保存料でしょうか。原料となる冷凍すり身の冷凍変性を防ぐ役割があるのです。

リン酸塩入りすり身だと4〜5年は大丈夫。そのため原料価格の不安定に対処できるし、製品の繁忙期に保存しておいた閑散期に作ったすり身も使えるという季節的変動にも対応できるという、生産者にとってはとてもありがたい存在になったのです。

そして、すり身には等級があるのですが、リン酸塩含め他の合成添加物を加えれば、値段の安い低ランクすり身を使っても、それとわからない製品が作れるのです。

他方、リン酸塩が入っていない無添加すり身、無リンすり身があります。こちらは、塩や砂糖でタンパク質変性を抑えます。なので「加塩すり身」と昔ながらの名称で呼ばれる業者さんもいるそうです。

昔ながらの製法だからでしょうか、無リンすり身は特注生産。しかも保存期間は2年(生活クラブ使用の場合)と、リン酸塩入りと比べて短くなります。使うすり身も良いランクでないと、そもそも無リンすり身は作れません。

これだけでも、無リンすり身の製品が、どうしてリン酸塩入りに比べ高くなるかわかりますよね。まとめると、こんな風でしょうか。

  1. 無リンすり身の原料は上物のすり身、
  2. 保存期間が短い、
  3. 特注生産。

驚いたのは、無リンすり身の流通量。
昭和54年当時、日本でのすり身流通量の約50%が無リンすり身だったのが、現在は5%!激減です!!
今や、無リンすり身使用のものは希少なんですね。

添加物入っているのが当たり前、なんだと実感しました。

今日は練り製品で締めます。

こめやさんの伊達巻はほんとうまいっす!手で巻いてるんですよ。
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次回は、味噌と明太子について書きます。 

 

人生は面白い。