一週間過ぎてしまいましたが、生活クラブのおしゃべりキッチン「安いものには訳がある」に参加しました。3生産者のお話がいっぺんに伺える、内容充実な企画です。
今回は、こめや食品(株)、(株)マルモ青木味噌醤油醸造場、(株)泰山食品商行。
生活クラブには、国の基準より厳しい独自の自主基準があります。
生産者の方々は、その厳しい基準に従って、消費材(巷で「商品」と呼んでいるモノのこと。利益を得ることが目的の「商品」ではないという意味で、生活クラブでの呼び名を作ったらしい)を開発・製造していただいている、とてもありがたい存在です。もちろん一般市販向けの商品も製造されていますから、市販品と生活クラブ消費材の違いをよくご存知な訳ですね。
食の安全に関する本や映画も、個人的に見ていたので、ま〜それなりに知っていたこともあった訳ですが…
業界事情をご存知の生産者の口から、直にお話いただくと、インパクト大でした!つーかヤバ過ぎる…
タイトル通り「安いものには訳がある」のです。ほんと、大ありですわ!!
まずこめや食品(株)さんから、練り製品のお話。
スーパー行くと、安いのたくさん売ってますよね?
練り製品って何からできているか、ご存知ですか?・・・はい、魚のすり身ですよね。
市販品の練り製品はほとんど、リン酸塩が入ったすり身を使っています。
リン酸塩は、簡単に言うと保存料でしょうか。原料となる冷凍すり身の冷凍変性を防ぐ役割があるのです。
リン酸塩入りすり身だと4〜5年は大丈夫。そのため原料価格の不安定に対処できるし、製品の繁忙期に保存しておいた閑散期に作ったすり身も使えるという季節的変動にも対応できるという、生産者にとってはとてもありがたい存在になったのです。
そして、すり身には等級があるのですが、リン酸塩含め他の合成添加物を加えれば、値段の安い低ランクすり身を使っても、それとわからない製品が作れるのです。
他方、リン酸塩が入っていない無添加すり身、無リンすり身があります。こちらは、塩や砂糖でタンパク質変性を抑えます。なので「加塩すり身」と昔ながらの名称で呼ばれる業者さんもいるそうです。
昔ながらの製法だからでしょうか、無リンすり身は特注生産。しかも保存期間は2年(生活クラブ使用の場合)と、リン酸塩入りと比べて短くなります。使うすり身も良いランクでないと、そもそも無リンすり身は作れません。
これだけでも、無リンすり身の製品が、どうしてリン酸塩入りに比べ高くなるかわかりますよね。まとめると、こんな風でしょうか。
- 無リンすり身の原料は上物のすり身、
- 保存期間が短い、
- 特注生産。
驚いたのは、無リンすり身の流通量。
昭和54年当時、日本でのすり身流通量の約50%が無リンすり身だったのが、現在は5%!激減です!!
今や、無リンすり身使用のものは希少なんですね。
添加物入っているのが当たり前、なんだと実感しました。
今日は練り製品で締めます。
こめやさんの伊達巻はほんとうまいっす!手で巻いてるんですよ。
seikatsuclub.coop
次回は、味噌と明太子について書きます。
人生は面白い。