石井ゆかりさんの『禅語』を読んだ後、禅つながりで、臨済宗全生庵住職の平井正修さんの『花のように、生きる。』を読んでいます。
副題は「美しく咲き、香り、実るための禅の教え」。なんとも美しいですね。
「禅では桜より梅を愛で、梅に禅の世界を重ねます。」
「その理由として、まず、寒中に咲くこと」
そして、「芳しくもほのかな香りを漂わせる」
「三つめの理由は実を結ぶこと」
「禅の教えと重なるものがその姿にある」そうです。
香りというのは、目に見えないけど、確かに存在します。
第二章の「花のごとく、香るために」から、香りについて、いくつか引用させていただきます。
「カリスマとは、雰囲気でその場の空気を支配する人」で、「その空間全体から香ってくるものがちがう」「堂々たる存在感」であり、「あらわれただけで、その場の空気が一瞬にして変わる。」
「それも心の芳醇な香りの作用ではないか、と思っている」。
「香りが沁み込むがごとく、ものごとを学ぶ」
ある「人の雰囲気とか佇まい、ものごとが醸し出す空気感のようなものが"香り"を放ってい」て、「目には見えない心の香りが、本性を露わにしてしまいます。」
「他人に信頼感を与えたり、誠意を感じさせたりする大本には"心の香り"があるのかもしれません。」
「何も華やかに、あざやかに、生きることだけが人生ではありません。かかわりを持ってくれた人たちに、淡いほのかな香りをそっと移していく。それもたしかな人生の足どりです。」
この本を読んでいたら、「香り」という言葉が、何度も美しく響いてきました。私の名前も「香」なので、自分の名前がとても好きになりました。
名付けてくれた父に、「美しい名前をありがとう」。
人生は面白い。