『ユマニチュード入門』読了しました。
ユマニチュード(Humanitude)は、認知症ケアの新しい技法として注目を集めているフランス発のメソッドです。
イヴ・ジネストとロゼット・マレスコッティの2人が作り出した、「知覚・感情・言語による包括的コミュニケーションにもとづいたケアの技法」です。
病院や施設で寝たきりの人や障害がある人など、様々な機能が低下して他者に依存しなければならない状況であっても、「最期の日まで尊厳をもって暮らし、その生涯を通じて“人間らしい”存在であり続けることを支える」ケアです。
ケアをする人と受ける人の出会いから、ケアをして終わった後の別れまで、非常に丁寧に、しかも具体的に書かれてあります。
一言で言ってしまえば、ケアを受ける人も人なのだから、1人の人としてコミュニケーションをとり人間関係を構築しましょう、ということになりますが。これを、「ケアをする人の適性や優しさの問題」とはせずに、誰もが「身につけることができ、実践することができる」技術として構築したのが、画期的なのでしょう。
そして、実際、ケアを受ける人の表情や動きが、とても変化するそうです。看護師の指示に全く従わず、暴力行為が見られた患者さんが、素直に指示に応じるようになったり、など。
過去6年間ほど、大田区のデイケアセンターに、アロマのハンドトリートメントのボランティアに行っていたときのことを思い出しました。
認知症の方に好かれていた職員の方は、この本に書いてあることによく似たことをされていました。その彼女は、自然にユマニチュードできていたんですね。
将来認知症の方に鍼することがあったら、そのときの参考になりますね。
人生は面白い。