一香堂(ひとかどう)の身辺雑記

人生面白がろう😆一香堂はり灸師@神楽坂の雑記帳

今週はローゼンメソッド

先週のBIPSのワークショップでも、ただ「触れる」ことで、人は安心し、リラックスし、自己肯定感を得られるということを目の当たりした。

それは、私がまだボディ・トリートメントの提供者となる以前から、そのときはクライアントとして、自分が体験してきたことだった。
私自身も、「タッチング」の力に助けられてきた。
そして自分が提供者となってからも、ますますその力の大きさを実感する。

しかし、それと同時に「触れる」ことの難しさも感じている。

そんなところで、今日、まだ日本ではあまり知られていないボディワーク「ローゼンメソッド基礎講座」に参加してきた。参加者は6人。
日本で唯一のローゼンメソッド・プラクティショナーである、久保隆司さんが講師。

なぜ、久保さんのHPにたどりついたか?
ケン・ウィルバー → 日本トランスパーソナル学会 → 久保さん、という流れである。

ローゼンメソッドとは何か?
久保さんのHPから抜粋する。

「過去50年以上にわたる理学療法士としての仕事を通して、マリオン・ローゼンが育てたボディワークおよびムーヴメントのアプローチです。ローゼンメソッドは、私たちの身体的な自己と感情的な自己との間ののつながりの気づきの意識を増やすことを通じて、リラクゼーション、行動、そして生き生きさを高めます。」

なんじゃ、そりゃ?って感じだろう。

プラクティショナーは、ただ両手でクライアントの筋肉に触れ、クライアントの呼吸にも気を配りながら、時々、「今どんなふうに感じていますか?」とクライアントに問いかける。
決まった手技、シークエンスがあるわけでもない。
プラクティショナーは、直観に導かれるまま、セッションを進める。
(このあたりは、エサレンボディワークっぽい)
音楽もない。

ただ静かに、プラクティショナーはクライアントと共にあり、クライアントに問いかけ、今クライアントに起こっている様々な事、感情とも、一緒にいる。
いわゆるセラピストとして基本的な姿勢である。

幸運にも、じゃんけんに勝って、デモで、久保さんのワークを受けることができた。
全体としては、20分やそこら。

しかし、何だろう。今まで、経験したことのないワークだ。

「ボディワークと心理療法を結ぶもの」と久保さんは説明された。
確かにそうなのだが。

言葉はとても簡単なのだが、言葉では表現しきれない何かがたくさんあり過ぎる。
とても深くて、とてもゆっくりだ。呼吸はもちろん深くなっていく。
お腹をやってもらったときは、お腹の中が発熱していた。

最後、頭と首の部分をやってもらったときは、今まで感じたことのなかった痛みや緊張が湧き上がってきた。それは不快だったが、ずっと昔からあったもののようだった。その痛みは、首から頭を通って、眼の裏につながっていた。私は近視なので、普段から眼の疲れは自覚していたが、もっと芯の痛さだった。
その痛みは、頭部の周囲、ちょうど孫悟空の頭の輪の部分まで上がっていった。
この部分は、先週のバイオダイナミックスのワークのときに緊張を感じていた場所と同じだ。

痛みが移動していく様子が、自分で手に取るようにわかり、そして、痛みを味わったところで、すっと消えていった。
それは、プロセスの一循環だった。

ここで「痛み」と書いているが、これは「強い力で押されて痛い」とか「弱っているツボを押されて痛い」とか、そういうものとは全く別物である。
またもや、私は、身体にいろいろ押し付け溜め込んでいたらしい(先週から、こんなんばっかり)。

あれだけ短時間だったのに、この深さは何だ?
ともかく、言葉では表現できない充実感だった。

言えるとしたら「すごいぜ、ローゼンワーク」。

その後、ペアを組んで実際やってみたのだが。
実際やってみると、そこにはいたのは、
「何かしてやろう」的な私。
「頭で考えちゃダメ」と思いながらぐるぐる考えている私。
「あ〜、これもクライアントに伝わっちゃう〜」と焦り気味な私。
で、最後は、迷子のように途方にくれている私。

「今ここ」に存在することが大事。
と、あれだけわかっていても、この有様。修行が足りん!

どんな状態でもプレゼンスし続ける。
シンプルなことこそ難しく奥深いなぁと、またまたいつも思っているところに行きつくのであった。

そして、またまた、からだの持つ可能性に感動するのであった。

久保さんは個人セッションもやっていらっしゃるそうなので、今度はぜひフルセッションを受けてみたいと思う。