私の祖母は、地震のときに「まんだろく」とか「まんでろく」とかいう呪文を必ず唱えた。
祖母は大真面目な顔で唱えていたので、「なんて言ってるの?」と直接聞くのも怖かった。
意味はわからなかったけど、なんかそれを聞くと大丈夫な気分になっていた。
その祖母はもうずいぶん前に亡くなったが、私もいつの間にか、地震のときにその呪文を唱えている。声には出さないが、心の中で、何度も唱えている。
ある日、その呪文の意味が気になって、調べてみたところ、似た呪文を見つけた。
(新潟市)
地震のとき「マンザイロク、マンザイロク」といって竹薮に逃げる。
(平塚市)
地震の時「マンダラッコ、マンダラッコ」と唱えるとよい。
これらは、「萬歳楽」がオリジナルのようで、婚礼でよく披露される謡曲「高砂」にもある一節らしい。
そのほか、霊山信仰説もあった。
福島県と宮城県の県境に萬歳楽山という弘法大師が開山した霊峰、萬歳楽山があり、ヤクヤミ(標高が898.3メートルだからだって)の山、地震や災害除けの山として広く信仰されてきたそうだ。
その山の名前にちなんだ「まんざいらく」「まじゃらく」「まんぜろく」という呪文がある。これらは、東北全土から関東まで広がっているそうだ。
萬歳楽山についていろいろ見てったら、法圓寺の住職のHPを発見。
ちょっと読みづらいけど、かなり興味深い内容だ。
こちらの萬歳楽山のHPもなかなか面白い。
呪文を調べてたら、霊山にたどりついた。
昔の人々は普通にいろいろなエネルギーたちと対話しながら、生きていたんだろうね。