一香堂(ひとかどう)の身辺雑記

人生面白がろう(*´∇`*) 一香堂はり灸師@神楽坂の気まま綴り

COPDに対する鍼研究

全日本鍼灸学会のHPで1月31日まで限定配信となっている、特別講演の動画を見ました。

古典鍼灸に分類されるところで学んでいると、つい、現在行われている鍼灸の研究や論文を見ることが疎かに・・・

鍼灸の世界では、同じ経穴(ツボのこと)に鍼をするとしても、先生によって全然違う、とよく言われます。
鍼灸学校当時は「〇〇先生はほとんどの不調を三陰交でなおす」みたいな、都市伝説めいた話しばしば聞きました。教科書に載っている経穴の主治なんぞ当てにならない、という話もあったりして。

とはいえ、鍼灸が世界的に広まれば広まるほど、よくも悪くも標準化の必要は出てきます。
EBM(evidence-based medicine)重要視傾向の今の時代、その波は避けて通れないでしょう。

では、標準化されたものが全く効かないのか?といえば、そうとも言えないようで・・・。

いずれにせよ、鍼灸に関する科学的研究で明らかになることはよきことだと思います。

テーマは以下の3つ。

鍼灸に関する国際情勢概観」
全日本鍼灸学会国際部/日本東洋医学サミット会議、(公社)全日本鍼灸学会会長 若山育郎先生

WHOが定めているICHI (International Classification of Health Interventions)と呼ばれる、医療行為・介入の分類に、「Acupuncture, external」が今年の追加されたそう。
今までは「Acupunture」と「Moxabustion」の二種類だったのが、日本の努力によって、刺さない鍼(接触鍼、鍉鍼)のコードができた → 手段の一つとして認められた。
これは喜ばしいですね!

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鍼灸と呼吸器疾患(COVID-19 を含めて)」
福島県立医科大学会津医療センター漢方医学講座 准教授 鈴木雅雄先生

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、鍼灸研究(システマティックレビュー、メタアナリシス含む)が進んでいる。1986年、LancetにCOPDの鍼治療の論文が掲載されたのが最初で、それ以後研究が盛んに。息切れ、呼吸困難に、プラセボと比較して鍼治療に統計学的優位が認められた。

東洋医学は症状じゃなく、人に対して治療する、というのは定説ではありますが・・・

鈴木先生COPDの症例に使われた経穴はある程度決まっており、刺入の深さも筋膜に届く程度、鍼の響きを必ず出す。

RCT(ランダム化比較試験)においては、68人のエントリーでプラセボ群34例、鍼治療群34例に振り分け、週一回の治療を12週間継続。

以下の項目に関して、プラセボ群では変化なしだが、鍼治療群では改善が見られた。

  • 労作時呼吸困難(修正Borg Scale)
  • 運動耐容能(6分間歩行距離)
  • QoL(SGRQ)
  • 酸素化能(6分間歩行試験時SpO2, 安静時PaO2
  • 筋の柔軟性(胸郭可動域、前屈時の指床間距離)
  • 呼吸筋力(最大呼気圧、最大吸気圧)の向上

そして、鍼灸は中枢に対しても影響を与える。

脳内で産生されるエンドルフィンは、息切れ感を緩和させることがわかっている。
そのエンドルフィンが鍼刺激後に増加したという研究発表がある(合谷に鍼通電(3Hz)の30分間刺激後、血漿のベーダエンドルフィン濃度が約2倍に。石丸圭荘 他 全日本鍼灸学会 2003)

また、鍼刺激によって、中心灰白質で内因性オピオイドが産生されることがわかっている。
オピオイドは鎮痛効果があることで有名だが、息切れ緩和作用もある。

加えて、鍼特有のズーンとした「響き感覚」(二次痛)が、脳の情動系の部位の反応が抑制されるということがわかっている(Kathleen K.S. Hui, et al. Neurolmage 27, 2005)

呼吸困難の発生時に脳の自律神経系・情動系の活動が起こることがわかっている。
ということは、情動系反応の抑制が呼吸困難を起こりにくくするのではないか?と推察し、鈴木先生たちは二次痛が起こる(響かせる)ように鍼をしている、との事。

↑私ももっと「響き」を意識して鍼をしよう。

まとめとして、SR・MAの結果から、COPDに対する鍼は以下のような効果がある。

  1. 呼吸困難を改善させる
  2. QoLを向上させる
  3. 運動耐容能を改善させる

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あとは、鍼による気胸は起こさない!ために、刺入深さ・角度は十分気をつける、ですね。

鈴木先生ご出演の動画を見つけました (11:04)。

youtu.be

長くなったので、三つめのテーマ↓は別にまとめます。

●「泌尿器領域における鍼灸医療の役割 -過活動膀胱に対する鍼灸の基礎と臨床-」
宝塚医療大学保健医療学部鍼灸学科 教授 北小路博司先生

 

人生は面白い。

 

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