先日、多田富雄著『からだの声をきく』を読みました。
こちら↑に掲載されている、本のタイトルにもなっている「からだの声をきく」という随筆に、マサイ族の話が出てきます。
多田氏はアフリカ旅行中、マラリア対策のため20年余りアフリカに滞在されていた寄生虫学者、堤可厚(つつみよしあつ)先生を訪ねます。そのとき、堤先生から聞いたマサイ族と暮らしたときの話が、興味深い。
彼らがようやく心を開いて先生を迎エビデンス入れてくれるようになったとき、先生は部族の長老に次のように質問した。
「人間にとって一番大切なものは何だと思うか」
長老は堤先生を見下すようにして言った。
「お前はドクターだろう。しかも、その年になってそんなことも知らないのか」
そして続けた。「それは胃袋だ。胃袋がダメになれば人間は死ぬ。その証拠に、人間が死ぬときには食べ物が入らなくなるだろう。また、森で死んだ動物の腹を切り開いてみると胃袋に必ず血が入っている。だから胃袋が一番大事なのだ」と。
このマサイ族の人体観、東洋医学と同じ!
東洋医学でも、脾胃が重要視されます。
なぜ重要かというと、脾胃は食べ物を消化して、からだに必要な栄養成分を吸収される状態にする役割だから。
ちょっと、ここから東洋医学的説明を。
人体を構成し生命活動を維持する基本物質を「精」と呼びます。
精が足りているかどうか?は、その人の健康状態を左右します。
その「精」には2種類あります、「先天の精」と「後天の精」。
先天の精は、胎内で受精した時にお父さんお母さんから与えられたもの。生まれつき持っている体質とか、遺伝子とかと似た概念でしょうか。したがって、もう生まれた時には先天の精の量は決まっています。
先天の精が多かったら「生まれつき丈夫」な人となりますかね。
では、先天の精が多ければそれでいいのか?、というとそんなわけはなく。
それを活かすも殺すも「後天の精」次第。
後天の精は、飲食物から得られる栄養物質のことで、「水穀の精微」とも呼ばれます。
後天の精は先天の精を補充しますので、後天の精をちゃんと作ることは、生きていく上で必要不可欠です。
この後天の精を作り出す大事な役割を担っているのが脾胃。脾胃が不調だと後天の精が作られないので、からだに蓄えられた精は減っていく一方。
マサイ族が言っていたように、「胃袋がダメになれば人間は死ぬ」というわけです。
著者(多田氏)は、マサイ族の話を聞いて、自分たちがいかに人間の体についての実感を失っているかを思い知り、アフリカの苛酷な自然の中で、体は自然との関係で存在していることを思い出した、と書いています。
体と自然との関係、このあたりも東洋医学の概念と同じですね。
遠く離れたアフリカ大陸の先住民、マサイ族が、同じような人体観を持っている。
面白いですね〜。
Photo by Randy Fath on Unsplash
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