12月はこの本一冊読むのに、何かを消耗した。
厚い本、というのも理由の一つだが。
「はーっ」と深いため息を吐いて「一体どーしたらいいのさ」状態でぼんやりと空に見つめることが、読むたびに起きてくるので、なかなか先に進めなかった。
20年以上前の本が、今の予言のように響いてくる。
私たちの身の回りに普通に存在しており、それ無くして果たして私たちは生活していけるのか全くもって自信のない、合成化学物質。
環境にはよくないものである、
危険なモノが漏れ出している可能性がある、
安全とされている化学物質でも、複合的に使用された場合の「安全性」は証明されていない、
程度は知っていた。
これも化学物質の影響か?!と疑う事柄が多すぎて、かなり呆然となった。子宮内膜症の増加、不妊症の増加、精子数の減少、発達障害の増加、等。
そういえば…と思い出す。
ダイオキシンが危険だというニュース、「環境ホルモン」という言葉を、20年くらい前に耳にした。今思えば、この本が出版されたのと同時期だったかもしれない。
その頃に「ポリ塩化ビニルじゃないサランラップを買おう」と決心したのだ。
そうなると、サランラップ(商品名)は買えなくなり、それ以降はポリエチレン製ラップ(ポリラップ)を使っていることになる。
使いにくいと評判らしいが…
確かに、実家で使っているラップに比べると、柔くて破れやすい。が、もう「そういうもの」として使っているので、あまり不便は感じていない。
本に紹介されている論文には、結構古いものもある(1950年代とかね)。
その当時から、野生の動物たちには異変が起こっていた。
では、なぜその事はスルーされてきたのか?
一つには、内分泌系研究が当時はまだ進んでおらず、詳しいことがあるのか今ほどわかっていなかった。
当時の関心対象(今も?)は、「がん」だった。
その物質は発がん性があるか、が注目される。
『沈黙の春』の著者レイチェル・カーソンも、その著書の中で「生殖異常」についても触れてはいたが、彼女の関心は、遺伝子異常とがんを誘発する合成化学物質に集中していく。彼女自身が乳がん患者だったということもあるだろう。
諸々の啓蒙で、発がん物質の研究には予算がつきやすいので、その分野の研究はますます進み、研究論文も数多く発表される。
一方、ホルモン撹乱物質かどうかという研究には、そこまでお金が出ないということもあるそうだ(この本が出版された当時のことなので、現在も同じ状況かは不明)。
他には、どれがホルモン撹乱物質か見極めるのが困難、という問題がある。
親には「異常を引き起こさない」物質が、子孫にはより深刻な影響を与える。
その物質が危険かどうか、一世代待たないとわからない。
それまでその物質を使わない、というのは、今の産業界にはありえない。 疑わしいものは使わない、ということは大事だと思うが。
仮に、ホルモン撹乱物質の危険性があったとしても、今度は量の問題だ。
従来の有害物質だと、少量であれば問題ないが、摂取量(暴露量)が多いと悪影響を及ぼすので、リスクはこのように表される。
リスク=有害性 × 暴露量(摂取量)
しかし、ホルモンかく乱物質はこのように単純には行かない、そうなのだ。
量が少ないほど有害で、かえって量が多すぎると害がなくなるという、合成化学物質も存在するらしい。
ホルモン撹乱物質に関しては、量より、いつ暴露したかが大きく影響する。
やはり、胎児のときに暴露すると、その影響は大きい。
それが、ますます有害性を証明するのを難しくしている。
さらに、証明を難しくしているのは、今存在する個体はすでに汚染されている、ということ。
化学物質に汚染されていないものが存在していないので、正確な比較がすでに不可能な環境に、私たちはいる。
読めば読むほど、絶望臭がプンプン、なのである。
もう勘弁してください、状態になったのだった。
とはいえ、「知りたくない」からと言って、知らない状態には戻れない。
ので、より合成化学物質レスなモノを選び、使いましょう。
健康のために
「〇〇を食べましょう」あるいは「X Xは食べるな!」
より、
(「人体に影響なし」と宣伝されていても)
化学物質無使用のモノや、殺虫剤や農薬不使用のモノを食べた方が、
自分にも、子どもたちやまだ見ぬ子孫たちにも、地球上の他の生物たちにも、
何億倍タメになりますよね。
ホルモン撹乱物質に関する基本的な情報は、環境省のサイトが思いの外(失礼!)よかったので、リンク貼っておきます。
人生は面白い。
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