生活クラブのまち委員なぞやっていると、正直、面倒くさいこともあります。
でも、それを余りあるほどに、良いこと…というか感動的なことに遭遇する機会が増えます。
感動的なことって何か?って言うと、生産者の方に直にお会いできて、モノ作りの情熱・こだわり、職人魂ってやつに触れられることです。普通の組合員でも「生産者交流会」というのがあってもれなく参加できます。ので別に委員になる必要はないです…
感動なんて生きていくのに必要がないよ…って方もいらっしゃるでしょうが。
でも私は、世知辛い世の中を腐らずに生きていく為に感動って大きな力になる、と思っています。「感動するとテロメアが伸びる」という話もあったり?
職人魂は、損得勘定の世界、効率重視の世界(どちらもある程度は必要だけど…)では息づかないものです。「今」やっている仕事が過去とも未来とも繋がっている、そんな感じがします。
ネイティヴ・アメリカンの言葉に「七代先のことを考えて決めよ」というのがあります。七代先・・・というのはちょっと大袈裟かもしれませんが、それに似たスピリットを感じるのです。
長い前置きはここまで。
だいぶ日にちが経ってしまいましたが、10月初めの秋晴れの日に、委員研修でなたね油の生産者、米澤製油(株)の工場見学に行ってきました。
その工場は埼玉県熊谷市にあり、周りは田んぼと住宅がポツポツある「田舎」の風景。
米澤製油は1892年の創業以来、なたね油を作り続けてきました。
米澤製油3つのこだわりは、① 非遺伝子組み換え(Non-GM)菜種原料を使用、② 精製工程において化学合成品を使用しない(当社特許製法である湯洗い洗浄法で製造)、③ 国産自給率向上のため、国産なたね原料の産地拡大に努めています。
まんま、生活クラブの行動原則ですね。
なたね油はあまり使っていないので、よく知りませんでした。なたねって菜の花からできるんだっけ?ぐらい。
世界で消費されている3大油の一つ、だそうです。1位がパーム油、2位が大豆油、3位がなたね油。
栄養面から見ても、なたね油はバランスが良いのですね。
LDLコレステロールを下げる効果があると言われているオレイン酸が60%、必須脂肪酸のリノール酸(通常の食事では摂取不足はなく、最近は過剰摂取が問題となっている)が20%、必須脂肪酸でn-3系脂肪酸(オメガ3)を含むリノレン酸が8~10%含まれています。
他の油と比べると、こんな感じです。
私がいつも使っているオリーブ油は、オレイン酸は多いけれどリノレン酸が少なすぎるという結果に…
そして私がもっとも心引かれたのは、農作物としてのなたねの特徴です。
まず、なたねは栽培に手間がかからず、農薬を使う必要がないということ。そして、作付けした後の土は作物の育ちが良くなるそうです。
農家が輪作体系の一つに組み入れるのに魅力的な作物、というお話でした。
ただ難点は、国産と輸入の味の差がないこと。コスト面ではどうしても輸入品に負けてしまい、国産自給力アップの他にアピールする点がない、とのことでした。
食品メーカーや消費者はそこまで「国産自給力アップ」を意識しているようには見えませんし…
味が違ければ、「国産の方が美味しいから」とか言えるのでしょうがね〜。
油糧原料のほとんどを輸入に依存している現状において、国産なたねの持つ可能性は高そうです。自給力の上でも国内農業を育てる上でも、なたねの役割は大きいと感じました。
そのためには、国産なたね油が普及して消費量も上がってくることが大事ですね。
生活クラブのなたね油は、今年から国産ブレンド率が10%から30%に上がりました。
seikatsuclub.coop
今度から、なたね油も食べます!
長くなったので、製造工程の写真は次回に。
人生は面白い。
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