別ブログで「人体 神秘のネットワーク」のことを書いたもので、こちらでは、東洋医学との関連性を混えたことを書きます。
まず第一集「”腎臓”が寿命を決める」、東洋医学の番組かと思うようなタイトルですよね?
東洋医学において、「腎」の主な機能は精を蔵することです。腎が蔵する精(腎精)は生命の源、生命力とも言えます。腎精が満ち足りていれば、元氣で活動的で、病にもかかりにくいといわれ、健康維持にとって大切なものです。
こういう話を患者さんにするとき、いったん「ここで言う『腎』は「腎臓」と全く同じではないんですが…」と前置きしていました。
が、今後は、その前置きが必要なくなるかもしれません。
今までの現代医学では、地味な印象
だった腎臓。それが「腎臓の働きを健全に保つことができれば寿命も延びる。腎臓の働きは寿命と密接な関係がある」ことがわかってきました。
番組では、腎臓の「血液の管理者」としての重要な役割が紹介されています。
- 腎臓が出すメッセージ物質EPO(エポ)は酸素が足りなくなると放出され、骨へ「赤血球を増やせ」と伝達。
- 腎臓が出すレニン、血圧コントロールの役割。
- 各臓器からのメッセージを聞いて、再吸収の量を変化させ、体内の成分調整をしている。
- 例えば、寿命を決める一つの指標であるリン。リンが少ないと病気に、多すぎると老化加速。骨(リンの貯蔵庫)からのメッセージを聞いてリンの調整を行なっている。
入院患者の腎臓を監視するシステムを導入している医療現場が増えています。
「AKI(急性腎障害)になると、それに伴って肺や心臓、あるいは脳といった重要な臓器に炎症が出たり、障害が起きたりすることがわかってきました。そのため、結果として多臓器不全を引き起こしてしまう。また、逆に、多臓器不全の結果としてAKIが起きることもあります。だから致死率が高いのだと考えられます」(柳田教授)ヨーロッパ集中治療医学会の研究委員長を務める英サリー大学のルイ・フォルニ名誉教授は、これまで単に「多臓器不全」といわれて亡くなっていた患者の中に、AKIが関係している人が大勢いる可能性があると指摘する。
この多臓器不全と腎臓との関係、中医学にもそれらしきことが述べられています(赤色は引用者追加)。
腎の精気は、腎陰・腎陽を産生する物質的基礎である。腎陰は真陰をやどして陰液の根本であり、各臓腑組織を濡潤・滋養し、腎陽は命門の火(真陽・元陽)をやどして陽気の根本であり、各臓腑組織を温煦し生化を促進する。(『基礎中医学』p.48)
なんか似てません?近づいてません?!
また、東洋医学では腎と骨は関連付けられており、「腎は骨を主(つかさど)る」とされています。
第3集「“骨”が出す!最高の若返り物質」は、今まで知らなかった骨のパワーが放送されました。
骨が「若さを生み出すメッセージ物質」を出している、ことが紹介されていました。
- コロンビア大学のジェラール・カーセンティ博士の、マウスを使った研究により、骨芽細胞が出す「オステオカルシン」が「記憶力」「筋力」「生殖力」を若く保つ力があることを発見。
- 老化のメカニズムを研究しているハームット・ガイガー博士は、骨からも出るホルモン「オステオポンチン」が減ると免疫細胞も減ることを発見。
骨からのメッセージ物質が途絶えてしまうと、様々な老化現象が進む、ということですね。「骨は人体の若さを司る門番なのです。」
一方、東洋医学(中医学)では腎精が骨格の発育・成長を促進して、骨髄・脳髄を滋生する
とされています。
腎精が充足していると、骨髄は滋養され脳髄は充盈(じゅうえい)し、精力が充実して耳目は聡明で記憶も確かである。(『基礎中医学』p.51)
骨自体が直接果たす役割については何も述べていませんが、丈夫な骨は腎精の充足の結果であり、ひいては「若さ」の象徴とも言えます。
⬆️これは少々こじつけっぽいですが、骨が「記憶力」「生殖力」とつながりがあるのは、東洋医学をご存知だったら「さもありなん!」なことなのでは?
今後の科学進歩で、東洋医学の概念が科学的に証明されることが、ますます増えてくるかもしれませんね。
やっぱり「統合」への流れ、ですかね。
次回の放送も楽しみです。
この画像は、「驚きのパワー!“脂肪と筋肉”が命を守る」の回で放送された脂肪を溜め込んだ脂肪細胞です。普段疎まれる脂肪、あまりに美しくて萌えました。
そういえば、IPS細胞研究所の助教の論文にデータ捏造・改ざん発覚のニュースがありましたけど、山中先生が司会から降ろされませんように。
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