生活クラブ連合会が発行する機関紙『生活と自治』11月号に掲載されたアズマカナコさんの連載は「おんぶ」について。
アズマカナコさんは、東京郊外で、冷蔵庫や洗濯機などを持たず、環境負荷の少ない暮らしを探求しながら3人の子どもを育て
ている方です。
以下のような本を書いていらっしゃいます。
アズマさん、はじめは抱っこ派でした。保健師さんから、「赤ちゃんはお母さんの顔が見えると安心する」と言われ、(略)はじめのうちは抱っこをしていた。だけど、抱っこをすると重心が前に寄ってしまい、(略)これでは、いつか転倒したり、体を痛めてしまうような気がした。
学生時代、大きな荷物を背負って山登りをしていた経験があるアズマさん。赤ちゃんと出かける時も背負った方が楽なのではないかと思
い、お子さんの首がすわるのを待っておんぶを試してみた。すると体も安定して動きやすかったので、それからはほぼおんぶで出かけているそうです。
日中一人で家事と育児をこなす時にも、おんぶが役立つ
というアズマさん。スキンシップをとりながら、同時に家事も行えるからだ。(略)赤ちゃんと自分のどちらにとっても良い気がする
と感じられています。もっとおんぶの良さが見直されるといいなと思う。
と結ばれています。
先月の松田恵美子先生の身体感覚講座で、やはり「おんぶは良い」というお話がありました。
おんぶをすると、仙骨がしっかりと立つ(仙骨立てないでおんぶすることも可能ですが、ものすごく重さを感じてからだが大変です…)んですね。この「立つ」感覚が大事です。
実際自分でやってみるとわかるのですが、氣持が全然変わります。
仙骨を立てて、ついでに尾骨も、犬が尻尾をフリフリするような感じで立てた姿勢のとき。
なんだか楽しくなります、嬉しく感じます。犬って嬉しいとき尻尾フリフリしますよね?あの氣分です。
反対に、仙骨を丸めて尾骨もその中に隠すようにした姿勢のとき。犬が怖がって尻尾を隠すあの姿勢です。
その姿勢をすると、心は内に閉じて、外部に対してビクついた感じになり警戒感が増します。ちょっとした刺激を攻撃されたように感じて、反撃したくなります。「内に閉じこもる」か「周りを攻撃したくなる」か、その両方の衝動が起きてきます。
姿勢によって、氣持、心の状態が変わるんですね。そういえば、NLPにそういう(姿勢で心を変える)技法がありましたっけ。
おんぶは、嬉しい氣持を生み出す仙骨が立った状態を作ります。おんぶをしているお母さん、おんぶされている赤ちゃん、双方が、仙骨の立った状態になります。その状態は、からだにとっても心にとっても、心地よいものです。
昔の女性は、何人も子どもを産んでました。赤ちゃんをおんぶしながら、家事や農作業をしていました。
おんぶは産後の骨盤を元に戻すことに役立ち、おんぶ生活が、何人も子どもを産める丈夫な女性のからだを作っていたのではないか、ということでした。
仙骨も立った状態のおんぶ、が重要です。そうすると、からだを痛めない、重さを感じない(全く感じないわけではなく、軽く感じるということです)おんぶになります。
重さを骨盤で受け止めるように、赤ちゃんをなるべく高い位置(自分の腰より高い位置)で背負うと、そうなります。
「おんぶいいよ」という記事、結構ありますね。
脳の発達にも効果がある、体幹が鍛えられる、とかさまざまな効果が認められています。
私が昔聞いたのは、「おんぶは、赤ちゃんがお母さんと同じ目線になるのがいい、その目線から、赤ちゃんは世界・社会を学ぶ」ということでした。
childcare-child.com
おんぶで寝た赤ちゃんを起こさないように、下ろすやり方もありました。
おんぶ、からだにも心にも良さそうですね。
人生は面白い。