最近、何かと思います。
「日本は先進国と思っていたけれど、それは幻なんじゃないか?」
先日の飯田哲也さんのお話を聞いたとき。
このTweetを見たとき。
ずっと言われていました。記者クラブなるものが存在するのは、世界広しと言えども日本とジンバブエだけだと😂
— 壺井須美子 (@hivere) 2017年11月20日
そして、少し前から話題の、熊本市議会議員の緒方夕佳氏が子連れで議会出席した件。
こちらは、ご本人のインタビューです。
miyearnzzlabo.com
私は子どもなしではありますが、女性なので、緒方氏応援寄りです。
「単なるパフォーマンスじゃない」とか「預ける先があるのなら、そこに預ければいいんじゃない」とか「わがまま」とかそういう声もあるでしょう。
多分20年前くらい…だったら、私もそういう反応をしていたかも。「そんなの身内で収めろよ」とか、「自分のツテでどうにかしろ」とか、「周りに迷惑かけるなよ」とか、そんな感じ。
かつて子育てや介護は家族内の問題でした。が、家族形態や社会の変化で、それでは持続不可能になってきている。ので、子育てや介護などは社会の問題として考えよう、という流れのはず…ですよね?
なのに、なぜだ??この逆流が行政の場で起きちゃった。
「市議会」という場所で起きたこともインパクト大。行政は、結局「子育て」を個人の問題としてしか考えていないんだ…女性に活躍してほしいと言いつつ、それを阻んでいるという風に見えてしまいました。
このニュースは、BBCでも取り上げられました。
記事の後半を引用します。
日本では非常に伝統的な性別の役割が存在し、多くの女性が、結婚して子供ができると退職している。
安倍政権は何年もの間、母親が出産後も仕事を続けやすくなるよう取り組んできたが、こうした努力にもかかわらず、日本での男女性差は大きく開いたままだ。
世界経済フォーラムによる2017年版男女格差報告で、日本は144カ国中114位となっている。
「男女格差報告」の114位は最低記録更新だったとは!
報告書は日本の結果について「政治参画の項目が後退したものの、経済参画の項目の特筆すべき進歩で埋め合わせている」と指摘
しています。
緒方議員のことは、この報告書を証明する形になってしまいました。
日本の状況しか知らないと、見えないこと、あります。
以前働いていた企業で、働く女性の出産にまつわる対応に驚いたことがありました。それは約25年前です。
あるアメリカ企業の日本オフィスで働いていたとき、同僚が妊娠しました。産休をとり職場復帰している先輩社員もいたので、既に制度や手続きは確立されていました。その同僚は、普通に「産休をとり産後復帰する」つもりでした。
そこには、数ヶ月前に邦銀から転職されてきた「総務部長」がいました。
彼の妻は専業主婦で、どうやら幼児教育や幼児心理学に詳しい方だったようです。
その総務部長は本当に親切心で、その同僚に「子どもは母親とずっと一緒にいるべきだ、少なくとも3才ぐらいまでは。子どもの情緒や成長にとって大事な時期だから、その時期に母親が離れるのは良くないよ」と話しました。それを聞いた同僚は特にそれを「嫌がらせ」と受け取ったわけでなく、頭の固いおっさんのたわごと(彼女はそうは言ってませんでしたが)ぐらいにしか聞いていませんでした。
そして、そのことを何気ない世間話として、アメリカ本社からのエクスパットの同僚に話したところ、大事件となりました。
その話は、直ちにアジアのリージョナルヘッドに報告され(まず東京所長へ報告されるのが筋でしょうが、彼が総務部長を引っ張ってきた張本人だったので、エクスパットはアジアのヘッドに話を通したんでしょう)、彼女はいろいろ詳細を事情聴取されました。リージョナルヘッドからは「〇〇(総務部長の名前)が言ったことはこの会社のカルチャーとは違うから。引き続き、あなたには働いてほしいと思っている。何かあったらすぐ私に言って」と念を押されたそう。
その後、本社のハラスメント相談窓口みたいな担当からもコンタクトがあり、困ったことがあったらすぐ連絡するよう言われたそうです。
渦中の同僚は、単なる世間話で話したことが大事件になり、若干困惑氣味でした。
私も「さすがアメリカの会社だ!」とびっくりしました。と同時に、その対応の迅速さに感動しました。人権、とか、差別、とかに対する感受性が全然違う。差別を感じさせることがあった時の対処法がしっかり決まっているのです。ほんと、カルチャーショックでした!
その後、何かの機会に東京所長と話した際、このハラスメント疑惑の話が出てきて…海外勤務ありの邦銀出身の所長は、事の重大さがいまいちお分かりになっていないご様子でした。過剰反応なんじゃないか的な雰囲気が言葉の端々にダダ漏れていて、「総務部長は△△さん(妊娠した同僚)のことを心配して、親切心で言ったんだよ」と。
その部長に嫌がらせの意図はなかったのだから、ハラスメントではない、という理屈は、25年前すでに通用していませんでした(日本の会社は知りませんが)。
当時の私も「え〜!ここまでするんだ!?」と正直なところ思いました。
今となっては、あれは立派なセクハラでパワハラだった、とわかります。
私の昔話はセクハラ・パワハラ疑惑でしたが。。。
何でしょうね、この鈍さ、この阻まれ感。ジェンダーギャップの最低記録を更新した日本にふさわしいニュース、っちゃあそうなんだけどね。
閉塞感と共にいろいろググっていたら、駒崎弘樹さんの書いたものを発見。
www.huffingtonpost.jp
沖縄の北谷町議会は、子育て中の町議の相談を受け、保育スペースを提供することを決めた、とのこと。そういう町もあったということは、嬉しいニュースです。
人生は面白い。