一香堂(ひとかどう)の身辺雑記

人生面白がろう😆一香堂はり灸師@神楽坂の雑記帳

「みんな芸術家」「みんなシャーマン」で世界は救われる?

キャンベルの「神話の力」の第3回めを視聴完了。


『神話の力』 ジョーゼフ・キャンベル × ビル・モイヤーズ Vol 3 古代の語り部

今回は、儀式、シャーマンのことなどがメイン。

儀式や神話は、人々が生きている環境によって変化していきました。
例えば、原始時代の主な狩猟や神々は、最も重要な狩猟の獲物と結びついており (11:00)、狩猟自体が儀式です(13:28)。“動物は多くの点で人間より優れていて、人間が持ち得ない力を持っていると、彼ら(原始時代の人)は考えていました。” (14:22)

ネイティブ・アメリカンに興味ある方は、ブラックフット族の神話 (15:46-21:52) を。バッファローダンスの由来が神話のなかに出てきます。

ここで思い出したのは、捕鯨問題を扱ったドキュメンタリー映画ビハインド・ザ・コーヴ」です。昔(今も?)の日本人にとって、鯨は恵みであり神です。それは、日本の各地に鯨塚や神社があることでもわかります。検索してみると、品川利田神社三宅島の鯨神社気仙沼の御崎神社愛媛県西予市の鯨塚、千葉県白浜町乙浜地区の鯨塚、同じく千葉県の南房総市にある長性寺の鯨塚、同じく千葉県鋸南町の鯨塚和歌山県太地町の恵比寿神社など、その他まだまだあります。
鯨のほかにも、動物が神のお使いである神社さん結構ありますよね。
上記の「ビハインド・ザ・コーヴ」、捕鯨問題をとっかかりとして、様々な問いを私に投げかけてくれた映画でした。文化、歴史を知ることの大切さ。報道情報とどう向かい合いどう捉えるか?あと、鯨料理食べたくなりました!お近くで上映がありましたら、ぜひご覧ください!

そしてキャンベルのお話は、洞窟の話 (23:40) から儀式の話 (26:20) へと進みます。

現代では軽んじる傾向にありますが、“儀式は神話の再現です。人は、儀式に参加することで神話に参加します。” (29:49)

儀式は、男女によってそれが持つ意味が違います。
部族社会では、少年は一人前の男になるため儀式をします。彼らは、“儀式を通じて、自分の部族の文化の中に速やかに組み込まれていくのです。” (29:28)
少女は“初潮によって大人になります。それは、自然に起こる身体の変化です。身体が変化するだけではなく、儀式もあります(原始時代の証拠がないので、現代の未開社会において)。・・・(儀式を通じて)少女は命の担い手となったのです。女はすべてです。命を誕生させ育みます。大地の女神と全く同じです。そのことに少女は氣づかなくてはいけません。” (31:13)
(儀式によって)“少年は人為的に大人にされ、自分より大きな何かのために仕える必要があります。” (32:08)
そして、“女は命の担い手になり、男は社会や秩序の担い手になるんです。” (32:20)

今私たちが生きている現代社会では、神話が失われ(32:30)、儀式はなくなっていくばかり(33:05)です。
そのひずみが毎日のニュースに出ている、とキャンベルは語ります。

“神話は環境に対応する” (35:53) ものなのに、現代社会に対応した神話がないのです。

そこで、“可能にできるのは芸術家です。・・・芸術家の役割は、今私たちが生きるこの世界をこの環境を神話にすることなんです。” (36:08) と、キャンベルは語っています。
“芸術家は古代なら神話の作り手” (37:16) になるそうです。
確かに、素晴らしい芸術家は現代のシャーマン (37:59) 的存在ですよね。

そういえば、マドモアゼル愛先生のブログに何度か「その人の人生の芸術化」という表現が出てきましたけど、これからは「みんな芸術家」「みんなシャーマン」現象で、世界は救われる、かな?

 

人生は面白い。