時々、自分の左掌を見て、思うことがあります。
「これは、誰の手だろう?」そう思って、まじまじ見るのです。
そんな風に思っている自分にハッと我に返り、
「誰って、私の手でしょう」と、自分で可笑しくなるのです。
その答えを何故だか疑っている自分がまだいて、本当に自分の手かどうか確かめるように、そっと指を動かしてみる。
自分が思ったとおりに、動く自分の手を見ながら、何だかホッとするのです。
「あ〜、私には手があったのだ〜〜」と。
そして、このからだを纏っていることの不思議さと有り難さをジワっと感じたりするのです。
私の中で、だれかが囁く。
このからだを与えたもうて、ありがとうございます、と。
この相棒がいてこそ、この世を味わえるんだもんね。
自分の左手を握ったり開いたりしながら、いのちを味わうひとときです。
人生は面白い。