友人に「この本面白いよ」と勧められ、昨日読了した安田登著 『あわいの力 「心の時代」の次を生きる』。
「あわい」とは、「媒介。あいだ。」という意味の古語です。
著者の安田さんは、ワキ方の能楽師であり、かつ公認ロルファーでもあります。能楽師として、ご自分のからだと向き合い、鍛錬されていらっしゃる方の言葉、世界観に、すっかりヤラレてしまいました!
新鮮な驚きと、納得感。自分の直観でぼんやり見えていたものが、安田さんの言葉によって、立ち現れてくる感覚。まさしく、「見えないものを見る力」を体感させてもらいました。
ある先生が、「日本人は本当に日本のことを知らない。皆さん、もっと日本のことを学んで下さい」と、ことあるごとにおっしゃっていました。いや〜、本当にそうだな〜〜と。
からだや言葉の感覚など、日本人のそれは明らかに、西洋とは全く違っていて、そして、知らないうちに、自分達のものを忘れてきたんですね。
とかく、外へ外へと求めていきがちですが、全ては「内」にあったのですよ。
若いときは、日本語のあいまいさとか「本音と建て前」の違いに、本当に苦労したのですが(生まれも育ちも日本なんですけどね)、それって身体感覚が鈍っていた(封印してた?)せいもあるのかもしれない…
知らず識らずに、全てのことを脳でしか理解できないようになっていて、脳がわからないことは「証明できないからダメ」みたいな価値観になっていたのかも…
それじゃ、あまりにも窮屈だし、それだけが正しいって、やっぱり変だよな。
自分の息とか、声の出方とか、内臓の感じとか、筋肉の動きとかを、もっともっと感じれば、そこには、とてつもない豊かな情報があるんじゃないでしょうか。
からだは、そこで閉じてはいないんだよ。そこから、いろんなところへつながれる。
安田さんの本の見開きのところに書いてある言葉です。
「人は身体という『あわい』を通して、外の世界とつながる。」
人生は面白い。