7月30日生活クラブの生産者訪問バスツアーで、栃木に行ってきました。
新生酪農株式会社栃木工場。www.sinsei-rakunou.com
この工場では牛乳を作っています。
原乳を工場に受入れる際にいろいろな検査をするのですが、 こちらでは、あまり他ではやっていない生菌数の検査もします。文字どおり、生きている菌の数です。この検査は、パスチャライズド牛乳(低温殺菌牛乳)を作るためには必要不可欠です。生乳の鮮度が悪かったり細菌数が多すぎたりすると、パスチャライズド牛乳は作れないのです。
新生酪農がやっている「72℃15秒間」のパスチャライズド方式(HTST)は、生乳に近い味わいを残す殺菌方法です。
www.sinsei-rakunou.com
この殺菌方法だと、熱に弱いタンパク質(=ホエイプロテイン)は変性せず含まれています。ホエイプロテインの中に、生体防御作用、免疫力に重要な役割を果たしているラクトフェリンや免疫グロブリンがあります。(注:市販されている牛乳のほとんどは120℃~130℃で瞬間殺菌のため、ホエイプロテインは失われています。)
美味しい上に、からだの免疫力にも効果があるなんて、すばらしい!!
ちなみに、生活クラブのヨーグルト、アイスクリーム、チーズには、こちらの新生酪農牛乳が使われています。
次は、新生酪農の提携生産者、熊倉牧場へ。
風通しのいい牛舎。「神経質」と言われる牛ですが、こちらの牛たちはゆったりとして穏やかな感じ。のびのび育てられているせいでしょうか。
牛は暑さに弱いそうで、20℃超えるとそれがストレスになるそうです。人間以上に、牛にとって暑さは大敵なんですね。
ストレスがあると、当然搾乳量も減ってきます。
なので、暑さ対策は必至です。今年は暑くなるのが早かったので、暑さ対策にご苦労されているようでした。大きな扇風機を24時間フル稼働、特に暑いときはミストで涼をとるようです。 夏の間の電気代は、冬の3倍近くかかるんですって!
牛舎の隣には、飼料用のトウモロコシ(デントコーン)畑が7ヘクタール(東京ドーム1.8個分) 。他に牧草も作られています。乳牛たちの餌はもちろんNon-GMO(遺伝子組み換えでない)です。
最後は、肉牛(ほうきね牛・栃木開拓牛)生産者のイソシンファームです。
ほうきね牛とは、ホルスタイン種と肉専用種の黒毛和牛との交雑種。雄、雌とも肉資源となります。生後26〜27ヶ月(長い!)で出荷されます。肉質は柔らかく、脂身に甘みと味わいがあり、とてもジューシーな食感だそうです(肉食べないので、受け売り)。ほうきね牛はデポーで取り扱っています。
栃木開拓牛とは、肉資源として育てたホルスタイン種の雄牛です。生後20〜21ヶ月ほどで出荷されます。肉は赤身が多くとてもヘルシーだそうです。
21ヶ月肥育され、出荷間近の牛たち。体重800kg弱。近くで見ると迫力あります。毛艶が良く、見るからに健康そうでした。
イソシンファームは、肉牛の他に、主食用の米、飼料用米やアスパラガスも作られています。牛たちの糞尿は堆肥として、水田、畑に還元します。
ここでは一頭の牛が出荷されるまで約2年、という年月がかかっています。コスト効率だけを考えていたらできないことがたくさんあるでしょう。
生活クラブには独自の畜産基準があります。生産者たちはその基準に従って、牛たちを育ててくれています。ありがたいことです!
安直すぎてあまり使いたくない言葉ですが…でも、やっぱりこう言わざるを得ません。
生産者の方々の満ち溢れる「愛情」を感じます。
あなたが食べているそのお肉、その牛乳は、どのような環境で何を食べて育てられた牛からのものか、ご存知ですか?
食材名が同じだからと言って、そのモノは同じとは限らない。
何を食べるか?より、どうやって作られたモノを食べるか?ですね。
人生は面白い。
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