一香堂(ひとかどう)の身辺雑記

人生面白がろう😆一香堂はり灸師@神楽坂の雑記帳

テロメアから世界を観る

先日少し言及したこちらの本、読了。

細胞から若返る!  テロメア・エフェクト 健康長寿のための最強プログラム

細胞から若返る! テロメア・エフェクト 健康長寿のための最強プログラム

 

テロメア」と聞くと、10年以上前の出来事↓を都度思い出し、「うふふ」な氣分になります。

hitokadoh-aider.hatenadiary.jp

根拠は不明ですが、「テロメア」と「ミトコンドリア」は私の引き寄せられワードです。かと言って研究している訳でもありませんが、吸い寄せられます。

こちらの本は科学的な本ではなく、どういった本かというと、

テロメア」とは染色体の先端部分を指し、寿命を司り、加齢とともに短くなるとされてきた。

しかし最新科学によれば、生活習慣しだいでテロメアを保持したり、伸ばすことさえできるという。

私たちが日々の行動や思考法を正すことで細胞を若返らせ、健康寿命を延ばすことができるのだ!

テロメア研究によりノーベル賞を受賞した著者自らが、そのしくみを解説するとともに、科学的に効果がある最強の健康法を紹介する。

今日からできるプログラムを実践して、いつまでも若々しい体と心を手に入れよう!

という内容です。

興味深いのは、単なる健康プログラムだけにとどまらず、貧困や差別などの社会問題をも語っていること。
結局、私たちはどうしたって社会の中で生きているので、健康一つをとっても、環境、人間関係を考えることなしに語ることはできないってことですね。

日常生活を含め社会全体をテロメア目線で観ています。
「健康本」では珍しいのでは?最後の章は「社会的環境は、あなたのテロメアを変える」。

社会的環境は、テロメアにも大きな影響を与えています。どういう地域に住んでいるか、ゴミが多いか緑が多いか、差別行為を受けているか、家族、友人、パートナーとの関係性、どういう子供時代を送ってきたか、等々。
一見メンタル・カウンセリングのような内容ですが、これらの問題は「心」という見えないものだけでなく、細胞自体にもその痕跡を残すのですね。

テロメアにとって子ども時代も重要です。子ども時代の傷跡はテロメアにも損傷を与えます。だからと言ってそのままってことではなく、適切なケアをすればテロメアは回復していきます。

テロメアは遺伝もします。テロメアの短い母親の子どもは、そうでない母親から生まれた子どもに比べてテロメアが短い傾向があります。母親が受けるストレスは、胎児にテロメア短縮という形で伝わる場合があります。

では「ストレスゼロ」だったらOKか?と言えばそうではなく。ほどほどのストレスは必要です。

例えば、子ども時代に逆境をほんの数回体験した成人は、ストレスに対して健全な心血管反応をする。心臓は血液をより多く送り出し、ストレス状態に直面する準備を整えるといったチャレンジ反応する。けれど、逆境を一つも体験していない人たちは脅威を強く感じ、末梢動脈に血管収縮が多く見られたそうです。

重要なのは、(子どもたちをすべての失望から守るよりも)ストレスに上手に対処する方法を教えることだ、と提言しています。

さらに、ストレスの感受性には個人差があります。
この本では「ストレスに敏感な子ども」は、育て方は関係なく「気質」だ、と言っています。気質はもって生まれた一連の性格特性で、生物学的に決定されている、と。
この本に登場する発達小児科医のトム・ボイスは、このような子どもたちを素敵な名前で呼んでいます。

ボイスは、ストレスに敏感なこういう子どもたちを「蘭」と呼んでいる。思いやりを込めて適切な世話をしなければ、蘭は花を咲かせない。しかし、温室という最適な状況下におけば、この上なく美しい花を咲かせる。約20パーセントの子どもたちは、蘭のような気質をもっている。繰り返すが、気質は親がつくるものではない。蘭の種は、生まれるずっと前に蒔かれている。

敏感という特性は、高い感受性と浸透性が利点となり、安定した環境。協力的環境下では、ストレスに敏感でない人に比べてより健康に元氣になる場合があるそうです。

テロメアで、世界を見ていくといろいろ面白そうです。

今まで氣分的なものと片づけられ、科学的でないという理由で排除されてきたものが、テロメアの指標によって明確に認知されることが多々あるかもしれません。理想的指標としてより広まることを願います。

テロメアは人間とはちがって、自分で判断を下さない。事実に即し、構成である。環境に対するテロメアの反応は、塩基対の数のレベルまで定量化できる。そのおかげでテロメアは、私たちの内部および外部の環境が健康におよぼす影響を測る理想的指標となっている。

個人的に取り入れようと思った一つは、マインドフル・イーティング(ゆっくり時間をかけて食事を味わうこと)。この実践で、甘いものの摂取が控えられるようになることが確認された、ので。以下のようなやり方です。

1.呼吸をし、意識を体全体にゆきわたらせよう。そして自問しよう。私の体は今どのくらい空腹を感じている?空腹感をデータや感覚で説明してみよう。

2. 肉体的な空腹感を尺度の上で示そう。過食を避けるために、空腹レベルが8に達する前に食事をするようにしよう。くれぐれも、レベル10になってから食事をしないこと。飢餓状態のときは、早食いと食べすぎの危険が高まる。

3. 食べているときは、その味を十分に味わい、食べるという経験を楽しむこと。

4. 物理的な満腹感や胃の膨満感に注意を払う(私たちはこれを「胃の伸び具合に耳を傾ける」と呼んでいる)。食べ始めて数分したら、「物理的にどのくらいおなかがいっぱいになった?」と自分に問いかけ、尺度の上で示そう。満腹レベルが7か8になったところで、いいかえれば腹八分目になった時点で、食べるのをやめよう。血糖値の上昇や満腹ホルモン値の上昇など、生物学的な満腹のサインはゆっくりと始めるため、20分ほどしないとその作用を十分に感じとれない。そして食べすぎてしまう前に箸を置くことは、だいたいにおいて非常に難しいが、注意を払えば徐々に楽にできるようになる。

「腹八分目」ってことなのですが、最近箸を置いてお茶をしばらく飲んでいると、また食べちゃう(^◇^;) ので、マインドフルに注意を払って食べます!
生物学的な満腹のサインは20分ほどしないと感じとれない、と肝に命じます。

 

人生は面白い。 

 

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