一香堂(ひとかどう)の身辺雑記

人生面白がろう😆一香堂はり灸師@神楽坂の雑記帳

『沈黙』で溺死しかけた

ずっと観たかった「沈黙ーサイレンスー」、観てきました。

chinmoku.jp

長いと感じられない2時間41分。

初っ端からキリシタン弾圧の拷問シーンで始まります。

胸が痛くて苦しいのは、数々の拷問シーンのせいではなく(多少そのせいでもあるけれど…)、人の弱さ、ずるさ、残酷さ、傲慢さと、人の中に確かにある神々しさの間で、大きく揺さぶられて溺れかけていたからだ。

ある出来事を思い出した。
30代前半にあるきっかけで参加していた勉強会。お隣に座っていた女性が、私の話(何の話かは覚えていない)を心を傾けて聞いてくれていて、何かの文脈で言った一言「私たちは、神様ではないから」に、えらく「救われた」と思った。

おそらく、神の大きさ、深さ、広さは、人である私がいくら感じても考えても想像しても、それらを超えているんだろう…と思う。

殉教したものは英雄として語られ、棄教したものは裏切り者として語られる。
それらも、人の目線でしかない。

棄教した神父ロドリゴが最期まで生きた様に、「キリスト」なるものを感じた。それは、彼の中に、確かに「神」が生きていたから。

胸が痛くて苦しくて、哀しくて絶望的で美しくて、永遠過ぎて、溺死しかけた2時間41分。

全ては沈黙のなかにある…

原作未読なので、読んでみます。 

沈黙 (新潮文庫)

沈黙 (新潮文庫)

 

 

人生は面白い。