ヒトは闇を畏れる。
なぜなら、闇は、あまりにも広く深く底がなく、すべてを飲み込むから。
そこではすべてが消える。
ヒトもモノも時間も、イノチも消える。
消えて、すべて溶ける。
すべてなくなり、すべてがある。
そういえば、すべては闇から生まれることを、すっかり忘れていた。
そうそう、すべてのものは、闇を通って、異次元へうまれかわる。
闇にとけて、うまれかわる。
うまれかわると、光を帯びる。
そうだった、闇と光はつながっていて、廻りながら流れているんだった。
そういえば、じぶんも闇の子であることを忘れていた。
だから、闇を消そうとすると、苦しいんだった。
そして、決めた。
じっくり見てみよう、じっくり感じてみよう、じっくり味わってみよう、じっくり触ってみよう、と。
そういえば、じぶんは光の子でもあることを、思い出した。
そうだった、じぶんは、闇と光の子だった。
思い出したら、じぶんのなかで、闇と光が周りだした。
ぐるぐる、ぐるぐる。
そのぐるぐるは、だんだんと早さを増して、ひとつの星みたいな光で輝いていた。
あ〜そうだった。これが私だった。
人生は面白い。