一香堂(ひとかどう)の身辺雑記

人生面白がろう😆一香堂はり灸師@神楽坂の雑記帳

陰極まれば陽となす

いろんなものが剥がれ落ちていった。

一生懸命見につけた、と思ったもの。
練習して、うまくやれるようになった、と思ったもの。
かなり改善してきた、と思ったもの。
ちょっとづつ、なりたい自分になれてきた、と思ったもの。
努力のかいがあった、と思ったもの。
深みが増して、豊かになった、と思ったもの。

あいかわらず、変わっていないし、あいかわらず、進歩していない。

『それは傲慢さから来ています。』と声が聞こえた。

「え?あたしのどこが傲慢だっていうのよ!!」
「がんばって積み上げていたのに。。成長したと思っていたのに。。」

『それは単なる妄想です。謙虚さが足りないのです。』

「何?あたしはかなり謙虚よ」
納得いかない。
どこまで謙虚になれってことだよ!?
全然わかんない。

そんな攻防が数週間、続いたのち。
私はあきらめた。

そうだ。
私は恐いやつだ。恐ろしいやつだ。おどろおどろしいやつだ。
冷たいやつだ。本当に人を愛せない人間だ。他人を信頼していない人間だ。

それをダメだ。それを直そう。
と思わなくなった瞬間、すんごく楽になった。

いいじゃん。
そういうあたしも、あたしなんだから。
そうじゃないあたしもいるわけだし。

そう、これもあれもそれもある、あたし。

なんて、広いあたし。
なんて、自由なあたし。

今も、人を本当に愛せないかもしれない、人を信頼できないかもしれない、と思っている。

けど、絶対愛せ「なければならない」わけでもない。絶対信頼「しなければいけない」わけでもない。

でも、愛したい、信頼したい、とは思っている。。。たぶんね。。

それだけで十分。
できるかできないかは、問題じゃない。

そんなこと、わかっていると思っていた。
けど、「わかる」ってことも、幾重にも幾重にも重なっているのだね。

「ダメ」なところを責めるのでもなく、直すのでもなく。
ただ「自覚する」。

それで、「ダメ」が、ダメじゃなくなる。
何かが、変わっていく。

そして、自分のどこかが広くなった。