一香堂(ひとかどう)の身辺雑記

人生面白がろう😆一香堂はり灸師@神楽坂の雑記帳

冬の守護神、板藍根

この冬、こちらに助けられています。

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板藍根、です。

生薬の薬効は、清熱、涼血、解毒です。

風邪、インフルエンザが流行るこの季節、助けになっています。

2002年〜2003年のSARS流行の際、一躍有名になりました。当時、中国ではこの生薬が買い占められ、市場から姿を消したことがあったそうです。

私はこの冬から飲み始めましたが、非常にいい感じです。

この板藍根、薬効からもわかりますが、冷やす性質です。

なので、冷え症の方はどうなのかな?と思っていたのですが、症状があるときは問題ありません。

健康維持で飲む場合は、温性の漢方も合わせて摂ったらいいですね。

私はここ2ヶ月くらい、朝晩一包づつ板藍根エキスを摂っていました。

つい先日、漢方の先生とお話する機会があり、舌診でちょっと乾いている(津液不足)兆候がありました。
元々気虚傾向もありますので、一緒に補気もした方がいいだろう、というアドバイス

補気剤の中で、潤す作用もある、生脈宝を勧められました。
こちらは、毎日ではなく、疲れを感じたら飲むつもり。

【第2類医薬品】生脈宝エキス細粒 12包

【第2類医薬品】生脈宝エキス細粒 12包

 

また、板藍根は1日一包でもいいかもしれない、ということだったので、からだと相談して調整していきます。

ウチダの板藍根エキス 2g×30包

ウチダの板藍根エキス 2g×30包

 

外出するときは、のど飴もいいですね!

創健社 板藍根飴 80g

創健社 板藍根飴 80g

 

www.iskra.co.jp

まだのど飴は試したことがないので、味は不明です。

でも、漢方って、他の人の意見あまり当てになりません。

その人に必要な場合は、まずい味も、美味しく・・・とまではいかなくても、からだが欲する感じで、あまり氣にならず飲めるのです。

試飲、試食(?)ができる薬局でご購入できれば、いいですね〜。

 

人生は面白い。

 

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祈りつつ

「居場所がないんです」
と言った目の前のヒトは、自分のからだにいるのも心地悪そうだった。

なぜ、そのようなコトが起きているのかは、火を見るよりも明らかでしたが。

原因がソレ、とわかっても、すぐに解消する、とは限らず。

ま、でも、なんとか、せめて。

ご自分のからだが、今より少しでも居心地良くなれば…

ソレを観ることができます。
ソレに立ち向かうことができます。
ソレに対処する力が生まれます。
ソレと付き合う術が身につきます。

そして、ソレが、実は「恩恵であった」と氣付くときが訪れます。

「自分は無力だ」と思っているときも、
あなたのからだは、見えない力を宿しています。

あなたがその力に氣がつきますように。 

と祈りつつ、鍼をうつ。 

 

人生は面白い。

 

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「世界のエリートはなぜ『美意識』を鍛えるのか?」読みました

本書は「ビジネス書」の類なのでしょうが、そうと呼ぶにはあまりにもったいない!
「ビジネスなんて関係ない」って方にもおすすめです。

副題に入っている「アート」と「サイエンス」。

「それらの融合が大事だ」って、よく聞こえてくるメッセージですが、じゃあ実際「それってなんなの?」「どうしたらできるの?」という問いに、はっきりくっきり、いわゆる万人がわかるような「答え」は見つかりません。

「分析」「論理」「理性」が重要視されている経営の世界で、「美意識」が大事だという。
その証拠に、ここ数年グローバル企業はエグゼクティブたちをアートスクールや美術系大学に送りこんでいて、彼らは極めて「功利的」な目的のために「美意識」を鍛えている、という。

「功利的」と「美意識」、一見真逆のベクトルのようですが。

今の世界はVUCA(Volatility=不安定、Uncertainty=不確実、Complexity=複雑、Ambiguity=曖昧)なので、分析・論理・理性重視の「サイエンス」が通用しないことがままあります。
この、サイエンスが通用しない領域に力を発揮するのが、「美意識」「アート」だという訳です。

著者は、MBA教育批判をされたヘンリー・ミンツバーグという経営学者の主張を引用しつつ、意思決定のクオリティは「アート」「サイエンス」「クラフト」の三つの要素のバランスと組み合わせ方によって大きく変わる、と強調されています。

「アート」は創造性、直感、感性など抽象的概念で、そこからワクワクするようなビジョンを生み出します。
「サイエンス」は、そのビジョンを体系的に分析、評価し、現実的な裏付けを与えます。
「クラフト」は、経験や知識を元に、ビジョンを現実化するための実行力を生み出していきます。

これら三要素に優劣はなく、どれも必要です。

が、現在のビジネスでは、アカウンタビリティ(「なぜそのようにしたのか?」という理由を、後でちゃんと説明できること)が求められています。

そうなると「アート」に勝ち目はなく、必然的に「サイエンス」と「クラフト」に偏っているのが現状です。

これってビジネスに限った事ではないですね。

「何を選択するか?」「何をやるか?」といった個人の決定・行動基準に当てはめて考えてみると、自分の傾向がわかって面白いです。どの要素主導でしょうか?使っていない要素はあったでしょうか?

私個人を振り返ってみると、20代〜30代半ばまでは「サイエンス」重視だったかも。何かやるにしても、「これをやったら何に役立つか?」基準でした。周りにその理由を説明ができるか?っていうことを結構氣にしていました(無意識だけど)。

ある出来事をきっかけに、「何になるかわからなくても、とにかく、興味が引かれたものはやってみよう。」と決心したことを覚えています。

ま、こういうのは厳密なものではなく、そう決心する前でも「アート」を使ってはいたと思うんですが、「アート」より「サイエンス」重視、裏付けがないものはやる意味がない、と思っていました。

若かったのに、頭コチコチでしたね〜、今思えば。

あと、「アート」の抽象的概念を表現する術がわからなかった、というのもあります。周囲にそういう概念をシェアできる相手がいなかった(と決めつけていた)というのもあります。「アート」を芸術的才能のみと理解していて、苦手意識があったので、遠ざけていたというのもあります。

アロマセラピー(トリートメント)を勉強していたとき、海外のセラピストたちはよく「マッサージはアートだ」と言っていました。

もちろん、解剖学や生理学、人体の構造も大事なのですが、セッションするときは「頭」はおいておく、「考えながらやるな」「感じろ!」っていうことを言う方が多かったですね。
まさしく「アート」主導です。

「アート」「サイエンス」「クラフト」の三要素、鍼にも当てはまります。
鍼をうつとき、これらのバランスがほんとに大事だな〜と、ひしひし感じています。 

「アート」だけだと独り善がりの鍼になり、「サイエンス」「クラフト」だけだと一人ひとりの独自性を見落とし、いのちの多様性に対応できません。 

そして、尊敬する先生方はみなさん、鍼をうつ姿が美しいのです。

鍼をうつ姿を見ているだけで、私の中の氣がすーっと通ります。

不思議ですね〜。

あ!でも当然なのかもしれません。

マザー・テレサが言っていました「私たちが心穏やかに、平穏無事に毎日を送ること。それが「世界平和」への貢献になる。」

一人のひとの氣が整い巡っている、状態は、氣がつくつかないに関わらず、周りの氣にも影響を与えているのかもしれません。

横道外れました・・・

鍼に限らず、そこに「アート」がないと、魂がない「抜け殻」に過ぎず。

数年前、文部科学省が全国の国立大学に対し、教員養成系学部や人文社会科学系学部の廃止や組織改編を求める通知を出したことがありました。

これは「社会的要請を踏まえた改革」という意図によるものだったそうなので、私たちの「アート」に対する一般認識がこの程度ってことなのでしょう。

この本が出版されたのが2017年なので、今は変わりつつある、と期待を込めて・・・

みなさん、「美意識」を鍛えましょう!

 

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ポータルサイトの光と影

昨年の秋から、「EPARKからだリフレ」というポータルサイトに掲載させてもらってます。全国の治療院が検索できるサイトです。

ありがたいことに、より多くの方に知っていただき、ご来院いただいています。

「より多く」ということは、今まで考えられなかった方がおいでになる、ということです。
それは、良くも悪くも、あらゆる意味で。

衝撃だったのは、予約時間の30分以上前にお見えになった方がいらっしゃいまして。

その方、前日か当日朝に「予約時間を1時間遅くしてほしい」と変更したのに、「早く着いたから」と事前連絡なく、おいでになりました。

いやいや、それじゃ「予約」の意味がないでしょう?と思ったのですが…

他にも、事前連絡なく30分くらい早くいらっしゃる方、結構いらっしゃるんですよ。

遅れる方も同じくらいいらっしゃいますが、迷っていることが多いので、事情は若干異なるかと…

驚いた私は、急いで、予約確認メールに文章を足しました、
「10分以上前のご到着はご遠慮ください。」

もっと前に気がつけよ!って話なのですが。

EPARK掲載以前(=当方サイトからの患者さん)、そういうとき「ちょっと早めに行ってもいいですか?」とご連絡くれる方しかいなかったのですよ…

それが「普通」と思っていました、「常識」と思っていました(汗)

しかし、それは「普通」でも「常識」でもなかったようです。 

それは、とても「有り難い」ことだったのですね〜。

思わぬところで、今まで氣がつかなかった「恵み」を発見しました。
ほんと文字どおり、有り難うございます。

ポータルサイトといえば、去年、食べログの課金制度が利益圧迫しているから、直接お店に連絡してという飲食店の張り紙がTweetされ、話題になっていましたね。
私もこのニュースを見てから、直接お店に予約するようになりました。
diamond.jp

そんな訳で、ささやかながら、ただいまポータルサイトの光と影を体験中です。

素晴らしいツールであることは否定しません。

要は使い方・つきあい方ですね〜。それも今、学び中です。

 

追記:これ書いた2日後に、連絡なしドタキャンを初体験。自分の不信感が招きよせたのか?(苦笑)リンクしていて、ちょっと笑けた。

 

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パーカー焼けた

昨日の…いや0時過ぎたので、おとといの朝の医療事故(?)。

背筋にブルっと寒氣が走ったもので、早速、大椎にせんねん灸。


ツボ 大椎(だいつい)|せんねん灸公式

早めのケアが大事です!

いい感じにほかほかしてきた…と思っていたら

「あれ?今日のお灸やけに熱いなぁ」

 ・・・と、ホントに燃えてた!!

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横着して、パーカー着たままで、お灸をしてしまいました。

慣れているからと言って、油断は禁物でした…

皆さん お灸をするときは、くれぐれも注意しましょう!

パーカー焼けて悲しい(涙)

使っているお灸のはこちら↓

せんねん灸.オフ竹生島230点

せんねん灸.オフ竹生島230点

 

 

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お灸は日本文化

『お灸ばなしあれこれ』読みました。

お灸ばなしあれこれ (日本文化史探訪)

お灸ばなしあれこれ (日本文化史探訪)

 

著者は、狭山養生鍼灸院院長の福西佐元先生。八分灸を使って治療をしていらっしゃいます。
八分灸とは、もぐさが八分ほど燃えた時に消す方法で、熱くなく痕も残りません。私も、直接灸のときは八分灸です。

こちらの本は、古典に出てくるお灸を取り上げ、お灸が日本文化たる所以をたくさん見せてくれます。

以前別ブログでも書きましたが、浮世絵にお灸が描かれていることは知っていましたが…古典に出てくるお灸の多さに驚きました!

お灸程、最も古く、かつ庶民に根づいた日本文化はないし、代表的日本文化の一つと言って、全く過言ではない、ということですね〜。

お灸は鍼と同様、中国から伝わってきたものです。

鍼にも日本独特のものがありますが、「特にお灸は日本独自の発展を遂げ、技術的にも最高度の水準に達した」と福西先生は書かれています。

現在の中国では鍼治療が中心で、実施されているお灸は間接灸で、日本で行われている直接灸はないそうです。

そういえば、2016年東京/つくばで開催されたWFAS(世界鍼灸学会連合会学術大会)のポストカンファレンス(少人数実技講習)で、透熱灸(=直接灸)の講習がありましたっけ。

直接灸は「日本文化」なのですね〜。

お灸は、中国から仏教伝来と共に入ってきました。平安時代に急速に普及し、鎌倉時代には身分に関わらず盛んに行われました。

 平家物語源平盛衰記には、戦の手当てで灸を使っていたことが書かれています。

お灸には、止血作用があり、傷口にお灸することは消毒にもなります。
鍼灸学校のときに、包丁で指先を切ってしまった傷口にお灸したクラスメートがいました。化膿することもなく、傷口の治りも早かった、と言っていました。

和歌にも、お灸は登場します。
しかも、恋の歌に!お灸のもぐさが燃えるのを、恋焦がれる心境に重ね合わせて、詠われています。
昔は、もぐさは情熱の証でもあったんですね。

現在では、ちょっとピンときませんが。

鎌倉時代以降には、軍記物語などの中で、身体の部位を表すのにツボの名前が使われることがよく見られるそうです。
みんな身体の部位が普通にわかるくらい、ツボを知っていたってことです。今よりずっと、ツボの存在が日常に根付いていたんですね。

歴史上の人物のお灸ネタも。
日蓮聖人がお灸好きだった、とか、秀吉が側室にお灸を勧めている手紙があったり、お灸嫌いの家康に対してお灸好きの家光、等々興味深いです。

お灸が出てくる古典で有名どころでは、吉田兼好の『徒然草』、松尾芭蕉の『奥の細道』でしょうか。これらの書物に三里の灸が出てくることは、ご存知の方も多いのでは?


ツボ足三里 (あしさんり)|せんねん灸公式 「とっておき13のツボ 」

日本篇のあと、海外篇があります。

西洋のお灸として紹介されているのが、古代ギリシャの「焼灼(しょうしゃく)」。
熱した鉄(烙鉄)を皮膚に押し当てたり、熱した油を皮膚に塗ったり、燃えているロウソクの芯を皮膚に付けたりする方法、らしいのですが…
書いているだけでも、身が縮むような痛々しさ、拷問ですよね(汗)

これに比べれば、お灸の方がまだマシな氣がします…

日本のハリ、灸がヨーロッパに紹介されたのは、1543年、ポルトガル人が種子島に漂着して、鉄砲伝来以降(漂着したのは、実は中国船だった)。

江戸時代に来日した、オランダ商館付き医師、エンゲルト・ケンペルというドイツ人が、日本を最初に紹介した人だそう。

ケンペルさんは灸療法のことを、もぐさ(Moxa)の名とともにヨーロッパに紹介しました。
そのため、ヨーロッパ圏のお灸の名称は「もぐさ(Moxa)」が語源となっています。 英語ではmoxibustion、ドイツ語ではMoxibustion、フランス語ではmoxibution。

面白いですね〜。

2月11日(月祝)に開催する「祝2周年!神楽坂サンクチュアリ「間」Persimmon」(13:00オープン、最終受付19:00)でも、お灸体験やります。

平安貴族も受けていたというお灸、ぜひこの機会に体験してみてください。
www.facebook.com

基本ご予約は不要ですが、お越しいただくお時間などがわかりましたらご一報いただけたら嬉しいです。

 

人生は面白い。

 

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自分の殻が割れる音

いろんな患者さんに出会えば出会うほど、

基準って何だろ?
平均って何だろ?
普通って何だろ?

って思います。

思えば思うほど、それらはモヤっとして実体のないものになり、吹けばとたんに消えてしまう。

例えば、
家族と住んでいてお母さんが作ってくれるご飯を食べている大学生、
家族と離れて上京して一人暮らしの大学生、
子どもを出産して子育てしながら学校に通っている大学生。

同じ年でも、全然違う。比較しようにも、しようがない。

みんな違うし、違っていい。

すでに世界は多様性に満ちている。

想像しているより、世界はもっとずっと広くて深いのかもしれない。

今いる場所が息苦しくても大丈夫。

それは、もうすぐ訪れる脱皮の兆し。自分の殻が割れる音に耳をすませて、大きく息をしよう。

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人生は面白い。

 

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